AIでゲームモンスターを生成!プロンプトの失敗から成功までの記録

最近、ゲーム制作に興味が湧き、特に「オリジナルのモンスターをAIで作れないか?」という試みに挑戦しています。最初は簡単にできるだろうと思っていたのですが、いざ取り組んでみると、プロンプト(AIに与える指示文)の奥深さに圧倒されました。

この記事では、プロンプト設計の失敗例から、最終的に満足できるモンスターが生成できた成功例までを記録し、これから同じようにAIでモンスターを生成しようとしている方の参考になればと思います。

■ はじめてのプロンプト ― あまりにシンプルすぎた

最初に使ったプロンプトはこれでした。

強そうなモンスターを描いてください
※この画像はAIにより生成したオリジナル画像です。

 

結果は……なんとも言えない、中途半端な獣のようなもの。爬虫類っぽくもあり、犬っぽくもあり、設定の方向性がまったく見えてきませんでした。“強そう”という言葉があまりに主観的で、AIには曖昧すぎたのです。

ここで気づきました。AIには「どこが強いのか」「どう怖いのか」「どんな世界観なのか」を具体的に指示しないと伝わらないということに。

■ 試行錯誤:具体性を増やしていく

次に使ったプロンプトはこちら。

中世ファンタジーの世界に登場する、火を吐くドラゴン型のモンスター。鋭い爪、赤い鱗、空を飛ぶ翼を持ち、荒れ果てた火山地帯に棲む
※この画像はAIにより生成したオリジナル画像です。


これでかなり改善されました。見た目はしっかりドラゴン。背景や体のディテールも豊かで、「ゲームのボスとして登場しそう」と思えるクオリティです。ここで学んだのは、世界観+機能性+特徴的なパーツをセットで伝えると、ぐっとAIの出力が良くなるということ。

しかし、まだ物足りませんでした。似たようなドラゴンばかりで、「このゲームならではの個性」がないのです。

■ さらに踏み込む:設定を物語化する

次に私は、ストーリー性を含めたプロンプトを試しました。

古代の神に封印された、知性を持つ不死のモンスター“バログレス”。燃え上がる黒炎の鎧をまとい、言葉を話すことができる。1000年の眠りから覚め、世界を焼き尽くそうとしている。背には6枚の羽根、目は青く光り、腕には呪われた鎖が巻き付いている。
※この画像はAIにより生成したオリジナル画像です。

 

このプロンプトで出てきたモンスターは、見た目に圧倒的な個性がありました。黒炎のエフェクト、鎖 ――これまでとは一線を画す仕上がり。AIも「このキャラクターにはこういう背景がある」と判断し、より深い表現をしてくれたように感じました。

特に驚いたのは、表情やポージングにも「知性と威厳」が現れていた点です。やはり、背景設定があるとAIもそのキャラクター性を補強してくれるのだと実感。

■ 成功プロンプトの構造を分析

ここで、成功したプロンプトの構造を簡単に分解してみます。

  • 世界観・時代背景:古代、火山、封印された…
  • モンスターの性質や役割:知性を持つ、不死、世界を焼き尽くす…
  • 見た目の要素:黒炎の鎧、6枚の羽根、鎖…
  • ストーリー要素:神に封印されていた、1000年の眠りから目覚める…

この4つをバランスよく盛り込むことで、ただの「かっこいい怪物」から、「物語の中で生きているキャラクター」へと変貌します。

■ まとめ:AIでモンスターを作るなら“詩人”になれ!

最初は「強そうなモンスター」というレベルで指示していた自分も、最終的には背景・見た目・能力・物語性を含んだ“詩的”なプロンプトを書くようになっていました。

AIにとってプロンプトは“脚本”です。あなたがどれだけ豊かに描写できるかで、モンスターの質が劇的に変わります。

■ おまけ:成功プロンプトのテンプレート

最後に、今後応用しやすいように成功プロンプトのテンプレートをシェアします。

[モンスターの名前(任意)]は、[時代/世界観]に存在する[性質]なモンスター。
[外見の詳細](例:黒い鱗、燃える目、巨大な羽など)を持ち、[能力・武器]を駆使して戦う。
[背景ストーリー](例:かつて英雄に封印された、怒りを持って復活したなど)を持ち、
[現在の行動・目的](例:世界を破壊しようとしている、人間を滅ぼそうとしている)で動いている。

このテンプレートに沿って、あなただけのモンスターをどんどん生み出していってください!


いかがでしたか? AIでモンスターを生成する過程は、単なるお絵描き以上に「物語を紡ぐ作業」でもあります。苦戦しながらも、成功したときの喜びは格別です。

ぜひ、あなたもプロンプト職人として、自分だけの魔物を創り出してみてくださいね。